サステナブルデザインスタジオ(末光+前スタジオ)始動!

修士の課題はSUEPの末光先生と前先生の共同スタジオとなります。

 

テーマは「自然の合理性に基づく新しい建築デザイン ~光・熱・風がつくり出す建築のかたち~」

 

■趣旨

建築は何らかの合理性に基づいてつくられます。

近代建築における合理性とは、機能であったり、コストであったり、工法であったりと、人工的な合理性(人がつくり出した理屈)に基づくものが中心的でした。モジュール、プレファブリケーション、◯◯工法と言われるようなものは全てそれにあたるはずです。人はそこにうまれる均質な秩序に人工的な美を感じてきたのです。

しかし、自然界に目を向けてみると、それとは全く異なった位相の合理が存在します。一見、グニャグニャに見える樹木の形であっても、実は全て合理性のある形をしています。ここにおける合理とは、複雑なパラメーターの中でそれぞれの理屈のバランスで生まれる合理性と言えます。それは、重力であったり、日光との関係、根と自重の関係や、隣合うものとの相対的な関係であったりします。また、人はどんな形であっても、自然界のものをみて美しいと見抜く能力を備えていますが、それは、その美しさの背景にある合理性を瞬間的に把握しているからとも言えます。自然界の複雑な合理と比ると、私たちが今まで見てきた建築の合理性とは、無限にある可能性の中の一部にしかすぎないのかもしれません。ここに近代建築を超えるヒントが隠されているのではないかと考えています。

新しい時代には新しい価値観が必要になります。

今までの狭い合理のフレームを拡げてみた先にはどんな姿の建築があるのでしょうか。

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(C) SUEP.

左上:風解析と壷型空間の形状のスタディ(光壷の家) 左下:発煙管による簡易風洞実験と流線形スラブの形状検討(松山の住宅)右上:集熱シミュレーションによる分散屋根形状の配置と勾配検討(向日居) 右下:風解析と地下平面形状の検討(地中の棲処)

 

■課題概要

前半(~中間発表)

① シミュレーション:環境シミュレーションソフト/Ecotect(気候分析)FlowDesigner(風・熱解析)Diva(光解析)を用い、建築形態が持つ環境性能のスタディを行いながら、シミュレーション技術を習得する。

②環境実験 :環境測定ツール(サーモカメラ、風速計、放射温度計等)を用いた簡易な環境実験を行い、建築形態が持つ環境性能を把握するスタディを行います。

③リサーチ :自然の合理性に基づく形のヒントとして、BIOMIMICRY(自然環境が生み出す植物や動物の形状特性)に関するリサーチを行います。

以上3つのアプローチから自然の合理性に基づく形の原理を発見し、空間モデルを作成する。この時点では、具体的な敷地を持たない抽象モデルとしての提示とする。その際、必ずシミュレーション結果や測定データなど空間の形の根拠を具体的に示す。

※①~③に関しては、B4 の前スタジオと連携し、情報を共有しながら進めます。

後半(中間発表~最終講評)

上記で作成した空間モデルを元に、実際の敷地で建築を設計する。敷地の環境コンテクストの特徴を生かしながら、居住空間の快適性や都市の問題の解決につながる建築の提案を考える。

 

■ ミニレクチャーシリーズ

講師:末光弘和(SUEP.)/前真之(東京大学)/川島範久(日建設計)/高間三郎(科学応用冷暖研究所)/羽鳥達也(日建設計)/中川純(レビ研究室)/竹中司(AnsStudio)/前研究室学生によるシミュレーションソフトのレクチャー

※講師の都合によって多少変更になる可能性があります。

 

■履修条件・初回集合場所

修士学生対象 定員制限なし

4/11(木) 18:00(12号教室)以降 毎週火曜13:00~ 木曜18:00~ エスキス