B4テーマ発表+M1熱課題の発表
5月7日(火)、本日のスタジオは以下のような内容でした。
・スケッチアップを使った周辺モデルの簡易作成法の紹介
・B4テーマ発表
・M1熱課題の発表
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□スケッチアップを使った周辺モデルの簡易作成法
配布したDXFファイルをスケッチアップにインポートし、ボリュームを立ち上げる方法についてレクチャしました。
make faces というツールを使い、インポートした線データに面を貼ることができます。
そこから街区のボリュームを一気に生成する方法、等高線のデータから地形を作成する方法も説明しました。
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□B4テーマ発表
能上さん
小学校をつくりたい。周辺の施設を巻き込む計画を考えており、候補を考えてきた。
小学校の機能を分解して考えたとき、理科室、家庭科室など特別な機能を持った部屋があるため、それを周辺に開放して、土日も運営する学校を考えたい。
→エスキス
・土日にも開放している小学校は既にあるので、事例を調べたらよい
・小学校の機能をどうやっって地域に開くか、それとセキュリティの両立をどうするかは今盛んに議論されているはず。
・プレゼンは見る者の想像を駆り立てることが必要なので、そういったビジュアルをつくるよう意識するとよい。
孟さん
今回は島全体の観光機能を考えてきた。
自転車とバスで一周まわれるような計画とする。
自然をできるだけ活かすために人工物をできるだけつくらないという方針をとる。
→エスキス
・写真などをもっとパネルに載せた方がよい
・島に関するデータをもっと集めたほうがよい。局所局所のデータを詳細に集め、マップに反映させる
・毎回毎回デザインを出すように意識すること
・ビジュアルの作りかたを、コンペ案などを参考に勉強するとよい。まちづくりや、島に対する提案の例を探してみる。
山本くん
前回の気候分析で、弱い風が断続的に吹いていることがわかった。
今回は以下の仮説に基づいた形の提案を考えてきた。
仮説 地表面では戸建てがみっしり建っているため弱い風が吹いているのではないか
提案 戸建て住宅が並んでいるところの一部を持ち上げて間引くという空間操作
住宅群+立体公園というプログラムを考えている。
低密として風をよく通し、上空の冷たい風を地表面に導くことを考える
→エスキス
・上空でどのような風速分布となっているか→べき乗則の計算でわかる
・気象データの分析では、伊吹おろしは広域で弱い風が吹いている状態である。
強い風が流れている前提で形を考えているように見えるが、一帯に吹く弱い風を利用する形は違ってくるのではないか。
・伊吹おろしはライフスタイルにどう関わってくるのか
・現地の人の職業などもリサーチするとよい
矢吹くん
現在は風の解析を進めている。
社会的要求などは取り合えず考えずに形を操作して、風のシミュレーションをかけてみることと、社会的な要求をリサーチする、ということを並行して進めている
外部風の解析に関して
直方体モデル ベランダ付きモデルの解析を行った。
室内風の解析に関して
片廊下型3LDK
風の通り道が廊下沿いにできている。
開口部がない部屋は全く風が通らない。
住民の抱える問題に関して
リサーチから、3世代以上が協力する必要性を感じる
子育て世帯、老夫婦世帯、単身世帯を組み合わせることを提案に組み込みたい。
→エスキス
・いろいろなシミュレーションをかけているが、それぞれに対する分析がないのでは
・どういうスケールで提案すると提案の自由度が高くなるのかなどをにらみつつ、そろそろ提案を絞っていったほうがよい。
・スタディの全体像を示していないため、これからの伸びしろが予測しにくい。初めに仮説を立て、それに応じてシミュレーションをかけていくということが必要。
・もっと思い切った形を網羅的にスタディしたほうがいいのではないか。
・片廊下型を選ぶ理由が必要。
・木曜日までには、マンションのボリュームを使った諸々のプログラムに対して
形の提案を作ってくるとよい。
一杉くん
二つ提案を考えてきた。
一つは以前のように、斜面地に埋め込むように建築を考える案。
土砂崩れを防ぐ、冷たい空気を都市空間に放つなどが可能となると思う。
もう一つに関しては、火葬場+都市公園/集会施設を考えている。
迷惑施設となってしまい敬遠されている現状と多量のエネルギーを使用している施設でもある。火葬場のエネルギーを他のことにも使えたらよい。
→エスキス
・ダイアグラム以上のことをそろそろ考えた方がいいのでは?
・敷地としてこういう斜面地が見つかりそうか→例:保土ヶ谷、田園調布、赤羽
・崖の上と下で、住んでいる人々も全くことなるような場所もある。
・もともとは、小さいものが集まったときの状態を考えるということだったように思うが、火葬場だとこれ一軒で終わってしまう。それでいいのか。
・公共施設でやるなら複数のプログラムを組み合わせるほうがいいのではないか。
・熱を集めることでスケールメリットを稼げる、という提案の方向性。
・斜面地、擁壁のあり方となったとき、どういう人が住まうのかということも同時に考えた方が良い。
・これからの進め方としては、敷地を見つける→コンプレックスの提案を考える→シンプルにボリュームのスタディをする→シミュレーションをかける
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□M1テーマ発表
米澤くん
壁の厚さに傾斜をつけた場合、壁を厚くした場合薄くした場合に関して熱のシミュレーションを進めた。
コンクリート壁で考えると予想通りの結果としかならかったため、ガラス壁でシミュレーションを進めた。
ガラスの厚さを増すことを、ガラスを入れ子状にすることに置き換え、ガラスの入れ子モデルを作成した。たとえば15枚で重ねたモデルは、日射の透過率を90%とすると0.9の15乗で、2割程度まで減衰する。
→エスキス
・きれいなレンダリングを作成できそう。
・ガラスを何層まで重ねるか、どこで打ち切るのがよいか見定めないと行けない
・ガラスを重ねる枚数とその間隔をパラメータとしてスタディを進めるといいのではないか。
・大きなビルのようなスケールで提案してみてもいいのではないか。
・冬もシミュレーションを回してみるとよい。
富山くん
これまでのスタディをまとめて整理した。
熱のスタディに関しては、ボックスがある密度で集合しているときに蓄熱し、熱交換するようなモデルを考え熱容量をパラメータとして考える。
夏は風を取り入れ冬は風を防ぐような形を考えると、外周部の密度を変えた方がいいのではないか。
→エスキス
・そろそろ建築にどう落とすか考えるとよい。
・熱的なところより、風を深めた方がおもしろい提案となるのではないか
・プレゼンに掲げているテーマもわかりづらいため、端的になにをやりたいのかまとめるとよい。
小松くん
屋根の振る舞いを考え直そうと思う。
日射積算量の分布をシミュレーションで進めている。
一つの屋根をつくることで、グラデーショナルに温度が変化する環境を操作できないかと考えている。
→エスキス
・屋根の曲率を変えるか、内部空間の仕切り方を考えるかなどあり得るが、曲率はあまり大きな要素とならないのではないか。
・ライフスタイルへの提案もあるとよい。
・パターンを考える時はパラメータを絞ったモデルを作成することが大切。
・床面積を一定にするなど、スタディのルールを設けたほうが良い。
・プログラムとしては、植物などを育てる施設もあり得るのではないか。
小林さん
熱のシミュレーションを進めてきた。
初期温度が室温と同じところからスタートする場合と初めから暖かいパネルと冷たいパネルがある場合である。
パネルの間でグラデーション状に温度が変化するかと思ったが、対流の効果で思ったより均質になるようだ。
パネルの素材も、鉄、土、木を試してみた。
→エスキス
・投入熱量がモデルにより全然違うのではないか
・ムラがあまり生まれていないため、設定の確認等をしてみる
・素材に関するスタディは、熱源を埋め込むことを考えているのか→日射を熱源と考えている
・人工的に環境を作り出すのか、素材の性質を活かして環境を作り出すのか
・素材を単一に限定せず、様々な素材の組み合わせを考えてもいいのでは
大國さん
三つのモデルについてシミュレーションを進めてきた。
一つ目として、バイオミミクリーのリサーチからの発想で、V字型の壁の配置のモデル。温度むらがどう生じるのかシミュレーションしてみた。
二つ目に関して中庭型のモデルを考えた
三つ目は熱容量の違う素材を縞状に並べたモデル。
→エスキス
・日射を入れて解析すべきである。
・内部空間を閉じた方がいいのではないか。
・どういうふうに影が変化するのかといったプレゼンもあるとよい。
・V字の下側の空間を利用すると、V字の壁を屋根として見なせるようになる。
・V字型を中庭に組み込むこともできるのではないか。
・縞状のモデルは、表面の反射率などを考えた方が面白いのではないか
石綿さん
前回の課題のモデルを利用して、ソーラーチムニーの高さを変えた場合のシミュレーションを行ってきた。
建物の高さを変えることで、光環境も変わってくるのではないか。
加えて、敷地候補を考えてきた。敷地は環状8号線の近くの敷地で、石神井川沿いである。
→エスキス
・まず初めに、川の周辺のボリュームで風を効果的に曲げられるのか、そもそも示さないといけない。
・川の形状と周りのボリューム形状の関係性で、どういった風の流れが生まれるのかといった部分の方が面白くなりそう。
・石神井川の歴史についてもリサーチを進めた方がよい。
・川の選び方にストーリーが必要ではないか。
・コンセプトとして掲げているスケールと、実際に提案しているスケールに乖離があるのではないか。
・環状8号線などを挙げているが、川自体にもっと執着したほうがいいのではないか。
アリスさん
半地下状の中庭型の住居の環境に興味がある。
中庭の深さ、中庭のエッジの形状に関して風のシミュレーションを行ってきた。
単一のホールのスタディ→二つのホールとスタディを進めたが、風上のホールの風の影響が大きく出てしまうため、一気に複数のホールのコンプレックスでスタディを進めた。
→エスキス
・昨年度の林樹樹くんの設計を参照するとよい。
・ダイアグラムやドローイングを作成するべき。
・コミュニティスペースなども計画するとよいのでは。
・このまま進んでいけばおもしろくなりそう。
北潟くん
敷地を決めたため、実測を計画している。
有楽町の路地空間で、風が流れず熱だまりとなりそうなところをいくつかピックアップした。
シミュレーションとして検討することとしては、どこまでチューブを潜ったら、熱的、風的に内部と感じられるようになるのかスタディを進めようと思っている。
外部からの距離とDH比をパラメタとして考えている。
→エスキス
・プログラムも考えた方がよい。
・自分の操作を明示化することが必要。チューブをどう曲げたらどういった変化が起こるのか。
・今まで考えてきたモデルが、提案のような小さいスケールとしたときに適応できるのか
本日は以上です!
次回はここまでの課程をまとめて発表する大切な機会です。
「伝える」ということを考えて、表現の仕方から考えてみて下さい。
皆さんの発表を楽しみにしています!