熱解析CFDレクチャ+B4テーマエスキス+M1風課題エスキス

4月30日(火)のスタジオです。

今日は全体で熱解析のCFDレクチャがあった後、B4とM1に分かれ、B4はテーマエスキス、M1は風課題のブラッシュアップしたもののエスキスを行いました。

○熱解析のCFDレクチャ
レクチャの始めに、CFD解析の細かなテクニックを説明しました。

・複数ファイルを連続計算する方法
エクスポート→計算定義(CN)ファイルで、CNファイルを保存する。
保存したCNファイルをSolverExecutorに登録して、計算を実行する。
すると、登録されたCNファイルが順番に計算されていくので、寝る前などにまとめて計算を回したい時などに有効です。
 
・解析領域の範囲について
風下の解析領域を適切にとらないと、正しい解析とならないので注意してください。
 
続いて、高瀬さんより熱解析のCFDレクチャがありました。

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熱解析の例として、
Case1:対流の例1(エアコンによる定常計算)
Case2:対流の例2(エアコンによる熱容量を考慮した非定常計算)
Case3:放射の例(放射冷房)
を挙げて、実際にみんなで解析の流れを追いながら確認しました。
 
Case1では、熱貫流率と断熱性について、
Case2では、蓄熱を考慮した非定常計算について、
Case3では、熱の移動形態、特に放射について、
環境工学の基礎をおさらいしながら解説しました。

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○風課題エスキス
・石綿さん

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グリッド配置×ハの字型
ピロティあり×ピロティなし
の4ケースでスタディ。
川を流れる気持ちいい風を住宅に取り込みたい。
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都市河川のイメージをもっと具体的に。
曲がってたりすると、障害物はないが圧損になる。
上流・中流・下流で建ち方が変わってくる。
川の周辺環境や建物・人口密度等変化していく中で、川の型を提示できそう。
 
・大國さん

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ある方向からの風は取り込み、別の方向からの風は遮る屋根形状のスタディ。
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操作の恣意性が強いので、何か言語化することはできないか。
最初にヴォリュームを限定しすぎていて、パラメータがしぼりづらくなっている。
現象として実現したいものがあるが、それが実際に何に役立つのか常に具体的なイメージを持ちながら進めた方が良い。
 
・米澤君

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壁厚のスタディ、前回は開口の位置は壁の中央だったが、いろいろと変化させてスタディを進めた。
開口は壁の端にある時、壁厚によって風の入り方が異なる。
古い建物のリノベーションで、壁厚を付加することで構造的な補強をしつつ、風や熱環境が激変させることができないか。
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リノベーションをするにあたって、全ての部屋を良くするのではなく、一部の部屋だけ良くする。
プリミティブなスタディの数は増えたので、一度定性的にまとめる。
一度具体的な敷地に落とし込んでみる。
 
・小松君

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細長いアプローチ空間と高い吹き抜け空間の組み合わせでパラメータを操作してスタディ。
いろいろな形態を試してみたが、あまり変化は見られなかった。
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まずはパラメータを大きく振って差がはっきりでるようにすると良い。
まず具体的なイメージを膨らませるため風のシークエンスを言語化する。
日本には風の名前が2000以上もある。自分で風を表現する。
ビューフォート風力階級図を参考にしてみる。
 
・藤山君

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住宅をやりたいのでビル風からいったん離れてみた。
屋根の傾きを変えてスタディを行った。
建築生産と織り交ぜながら考えたい。
木材ストックの利用と絡ませながらストーリーを作りたい。
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モジュールに着目する。
一般的な住宅に使われる寸法と、間伐材などから作れる製材の寸法は違う。
モジュールが決まっていて、そこから空間を作っていく。
 
・小林さん

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空間の目的と評価指標を考えた。
非定常解析で評価するのが難しい。
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シミュレーションはトラブルがなければ進められるはず。
素材等の具体的イメージがあるのかどうか。
来週の木曜に向けて、敷地や素材、プログラム等を先に詰めていく。
 
・富山君

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ビルのファサードに応用できるのではと思い、80m立法のヴォリュームでスタディした。
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スタディを見ていると密度の違いで風環境は決まっているので、密度によってどういった空間・用途ができるかイメージする。
熱まで含めて設計に結び付けられそう。
ファサードの部分が、ただの装置になってしまうのではなく、人のアクティビティと関わってくるように。
 
・ちょう君

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メガシティ・ジャカルタ。
バッタとイナゴの相変異。
個体密度の違いによって、変異する。
住宅が個体から集合するにあって、通風・採光などによって変異していく。
数十年後に密度が2倍になった時、住宅がどう変異していくかをスタディした。
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既存と関係なく環境ファシズム的にスタディする方法もある。
やりたいことはマスタープランではなく、時系列の変化の話?
 
・北潟

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立方体のヴォリュームにヴォイドを開けるスタディを行った。
風上側に入口と出口があると風が流れず、開口が風上と風下に開いていると風が流れる。
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結局風上の風圧と風下の風圧、開口面積から風量が定まったいる。
曲がっている回数が圧損になり、風量に影響しないのか、一度風量を確かめてみる。
 
以上です!皆さんお疲れ様でした。
次回5/2(木)は、
16:30~B4テーマエスキス
18:00~M1熱課題スケッチ発表
です。
次回もよろしくお願いします。