熱解析CFDレクチャ2+B4テーマエスキス+M1熱課題発表

5月2日(木)のスタジオです。
今日はM1の熱課題の発表、B4のテーマ発表があったあと、火曜日に引き続き、高瀬さんによるCFDの熱解析レクチャがありました。
 
まずはM1の熱課題の発表
 
 
 
 
米澤くん
風のスタディのときに、厚みで違いが出たのは風向による違い
熱のスタディでも踏襲した。
熱のムラと風のムラで不均質な空間を形成する。
<アドバイス>
壁の隙間をしっかり空間にしたほうがよい
のちに光環境の話も織り交ぜたほうがおもしろくなる

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小松くん
屋根の下にできる日影に人々がそれぞれ居場所を作っていたタイでの体験をもとにする
3次元的に屋根を散りばめることで屋根がスラブになったり、etc
放射熱、体感温度に注目
<アドバイス>
屋根の素材にも影響される
参照できる例として川島範久さんの軽い家、重い家

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北潟くん
普通の建物はペリメータゾーンが熱的な弱点となっているが、建物の内側に外部空間があればその関係性は変わってくる。
→ボリュームからボイドをくり抜く操作
いろんなH/D比が存在している有楽町をとりあえず敷地としてスタディを行った。
<アドバイス>
ボリュームとして残った空間にどのような意味をもたせるかを考える。
わざわざぐにゃぐにゃさせる意味は何なのか?
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石綿さん
45°傾けると風の流れがよくなることがわかった。
そこから熱的な言及に繋げたい
プログラムは集合住宅を想定
<アドバイス>
面白い川を見つけて、そのポテンシャルをシミュレーションを使いながら明らかにしていくという進め方のほうがいいのではないか?

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大國さん
暖かさ、涼しさを感じる情景を思い描いてみた。
バイオミミクリーのオビカレハからインスピレーション
入れ子みたいなイメージ
<アドバイス>
空気層は厚みによって意味合いが違ってくる
ダブルスキンと何が違うのかを意識したほうがよい
住宅というプログラムが案の面白みを制約している気がする
原理の面白みを最大限活かせるプログラムを考えてみたほうがよい

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藤山くん
放射、対流、伝導の熱の伝わり方と建築との関係をまとめると
放射:距離との関係
対流:密度との関係
伝導:人のアクティビティを変えていく
それぞれを組み合わせることで空間を形成していく
<アドバイス>
教科書的
間伐材でやりたいのなら、具体的な案を1個でいいからしっかり盛り込む
住宅というプログラムに限定しすぎないほうがいい。

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富山くん
モデルは風のスタディをした延長
作りたいのは熱溜まりのある空間
<アドバイス>
次回までの課題として、どう均一でないのかをスケールを含めて考えてくる
季節ごとの違いがあまり反映されていない

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小林さん
むらがあって熱がじんわり伝わる空間のイメージ
→ポイントは放射
例えば、
温かいパネル、冷たいパネルを組み合わせて、平面で疎密のある空間を作る
そのパネルの中で壁体内換気をする
<アドバイス>
スケッチをしながら考えるのが好きなのであれば、システムに制約を与えず、些細なシーンから発想したほうがよい
生活のシーンを思い描いて、壁との関係性を考えるとよい

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次は今日発表してもらったアイデアから熱のシミュレーションをしてもらいます。風と比べて解析時間がかかるので、簡略化をどうするかも考えてみてください。
 
続いて、B4のテーマ発表です。
 
能上さん
ヴァナキュラーが特性を持っているという分析のもと、画一的な空間として「学校」というプログラムを考えた。
学校の設計は平面的な印象。立体的に考えたら面白くなるのではないか?
<アドバイス>
シーラカンスだけを調べても、学校の空間構築に関する言及はたくさんある。
公立校だと、エアコンを使うことがタブーとされていたりする→非空調空間を考えるよいモチベーションとなる。
学校というプログラムで終わらないほうが面白いのではないか?
次はダイアグラム、プログラムの提示までいってほしい

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矢吹くん
日本中に存在する集合住宅の典型をモデルとした。
片廊下型
階段室型
とりあえず外形に対して風解析をかけてみた。
これから内部の風解析もかけて、どこに突っ込みどころがあるかを明確にしたい
<アドバイス>
シミュレーションと並行して、シーンのスケッチも描いていったほうがよい
建物全体としてだけではなく、バルコニーだったりもっと要素ごとに分けてシミュレーションをかけたほうがよい
リノベーションを考えたほうが面白いのではないか?
社会問題から考えるアプローチもあると面白くなるのではないか?
→空き家が増えているみたいな話ならメゾネットにするとか
制約が多い選択肢を選んでいる分、どこに自由度をもたせられるかを練っていたほうがよい

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もうさん
敷地はフィリピンのサブタン島
直島よりも大きい
自転車で一周2時間(?)くらいでまわれる。
この島にはホテルがまだない
プログラムはホテル、レストラン、倉庫、船着場
<アドバイス>
それぞれの場所に対する判断がされていない。
シミュレーションを組み合わせて、島のポテンシャルをもっと具体化していったほうがいい。
ヴァナキュラー建築は全体として成り立っているのだから、部分を変えるという操作ではなく、全体として捉えて分析した後に建築を提案する。

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山本くん
敷地は岐阜の多治見市
盆地で夏は暑くて冬は寒い
詳細な気象データを分析してみた
伊吹おろしという風の名称がある。
<アドバイス>
伊吹おろしという名前がついているのに、風速が弱いって面白い。
物理条件だけから全体は決まらない。誰に対しての提案なのか見えていないから、いまいち共感できない。

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一杉くん
前回のエスキスをうけて、少しマクロ的に考えてみた。
都市の中にあるエネルギー源をうまく使うことができたらいい
<アドバイス>
使う人を想定する
イメージをとりあえず並べてブレインストーミングをすることをしたほうがよい
未来におけるインフラのあり方を考えてもよいのでは?
cf)羽藤研究室での研究

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続いて高瀬さんによる熱解析CFDレクチャです。

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前回のケースに続き、
case4:日射受熱量の解析
case5:ソーラーチムニーによる温度差換気の解析
を題材に演習しました。
 
なかなか難しい内容だったと思いますが、復習を行なってみてください。
 
次回はゴールデンウィーク明けの5月7日となります。